言葉を喋る時の思考

自分の韓国語能力はすごく低いので、的外れかもしれないんだけど、
外国語を喋る状態を続けて一つ思ったことをメモ。
言葉を喋る時って、試行の結果をそのまま言葉として出力しているのだと
漠然と思っていたんだけど、今、カタコトながら韓国語を話すようになって、
「もしかしたら違うんじゃないだろうか?」
と思うようになった。
言葉というのは、純粋に試行の結果を組み立てたものではなくて、
脳の中にあるデータベースから
「こういう文脈のときは次はこういう言葉が出るのが普通です」
っていう候補がいくつか取り出されて、その候補の中から思考に一番あう物が選ばれるのではないだろうか?
そして、これが中途半端にでも出来るようになると、
会話しているときの脳のCPU稼働率はかなり低くなるような気がする^^;
たとえば今、自分の場合は英語で何か表現しようとした場合、脳のCPU稼働率は120%振り切っちゃう。
もう全身全霊傾けて考えても正しい答がだせないどころか、間違った答さえ出せなくて言葉に詰まっちゃったりする。
反面、韓国語はかなり間違ってると自覚もしてるし、「言いたいことを表現するのに必要な単語や表現が解らない!!」という自体も頻発はするのだが、話す時に脳のCPU占有率はそんなに高くない。
なんとなくうすぼんやりとだが、次に口から出すべき単語とその変化形が既に脳内に出てきているような感じなのだ。
で、それって何だろうと考えると
「過去の自分の口から出した言葉、自分の耳で聞き取った言葉のデータベース」
なんじゃないのかという気がする。
母国語の場合、このデータベースが大きすぎて、候補も山のようにありすぎて
その存在を意識できないだけなのではないだろうか?


ここはプログラマ的な考察なのだが、
本当に言葉を一からロジカルに組み立てるには脳は速度不足なのだと思う。
それに対応するために脳が何をやっているかというと表引き…状態をインデックスに過去の経験表から組み立て済みの言葉をもってきている…のではないだろうか?


これは語形なども含めて行われているような気がする。
自分の例だが、自分が韓国語を話すと韓国人から「日本人なのにパッチム(母音の後にくる単独の子音)の発音が上手いですね」と言われることがある。
お世辞の場合も多いかもしれないが、本気で言ってる場合でも相手が勘違いしているのではないかと思う時が多い。
自分は完全に日本語を母語、母国語として育ってしまったので子音のみの発音は当然のように苦手なのだ。
これを補うために何をやってるかを考えると……


頭の中に子音と母音が組み合わさった場合のテーブルがあるような気がするのだ。


bで終わる単語の次にeが来たら"ベ"だ。
というような形を無意識のうちに表引きしてる気がする。
これを個別に発音していることはないし、
いちいち頭の中で組み立ててるわけでもない。
瞬間的に対応表から『仮名』を拾い出しているのだと思う。


言葉の変化形も、原型から文法に合わせて変化などさせてない。
普通の速度で喋っている場合には、変化済みの形が出てくるのだ。
これはやはり表引きだろう。


自分はそういう世界の専門家じゃないので、間違ってる可能性も往々にしてあるのだが、
自分自身の体験から「こうじゃないか?」と思ったことのメモでした。