アイロンをかけながら

昨日の夕方に母からメールがあったのだが、やはり今日一日どこかでソワソワしていた。
帰ってアイロンをかけながら考える……。


父が北海道を出た時点から、ある程度仕方がない事だ。
どうせ行っても自分が誰なのかももうわからない。
仕事もそれなりに忙しい。


全部、自分を安心させる為の言い訳じゃないか。


結局、もしも不幸が起こらなかった場合の社会的評判を気にしているだけだ。
自分がそれだけ薄情な孫だというだけだ。
本気なら、どの言い訳も理由にならない、考えもしないで飛んで行ってるはずだ。


それでも俺はYシャツにアイロンをかけている。
薄情な孫だ。


せめて今から覚悟しておくがいい。
自分の最後がどんなに惨めで孤独だったとしても、誰も恨んではいけない。
それは今、お前がしている事なのだから。