山月記

高校2年の時の国語の教科書を発見。というかこれは意識的に捨てられずに残しておいたもの。
もう名前もあやふやなんだけど当時の国語のK先生がこの「山月記」はとても深い話だから、よく考えて読みなさいと言っていたのがどうしても忘れられずに残しておいたの。
でも当時の坊やだった俺にはやっぱり何がどう深いのかさっぱりわからなかったんだよね。
今、読み返してみて骨身に染みるほどよくわかる。
なるほど人とはこういう物かと深く驚嘆せざるを得ない。
まさしくつい先日までの自分はこの物語の李徴の心境であった。
半ば狂いかけなのに誰もそれを理解してくれないと只嘆く日々を送っていた。
この苦しさは己が身に降り掛かった者にしか理解されざる物なのだと絶望を感じていた。
それが自分の今までの所業の故であると知りながらも答えのない迷路を嘆きながら彷徨っていた。
でももう嘆かずに生きていけるようになった。
語られている通り、自分もまた猛獣使いではあるけれどこの猛獣の扱いは前よりもうまくなったみたいだよ。
そしてまた、この教科書を捨てられなかった事とか、どこかで素直に人の言葉を聞けてしまう自分も見つけられて、また一歩前進かな?
そしてまた数年後にもう一度読もうと思うの。
次に読むときは笑って読めたらいいなぁ。