仕事の為日本に出発

まだ問題点が解決していないのに、問題が無いかどうかの最終確認に日本に行く。
こういう馬鹿らしいスケジュールにしたのは誰だろう?
おかげさまで睡眠時間ゼロのまま自宅を出発。
空港へのバスがあるバス停までタクシーで行く。
正直、韓国のタクシーは方向が合わないと乗せてくれないので怖いのだが、
一発でOKだった。
バス停につくも、誰も居ない。始発バスに合わせたつもりが、予定より20分も早くついてる。
一発でタクシーがひろえてしまったからだ。
しかたがなくバス停でまっているとおじさんが近づいてきた。
何時?ってきいてるから現在時刻を答えたら、最初のバスが何時かと聞いていたらしい^^;
なんかまだバスが無いのでイラついているようだった。
発音が変だからすぐに外国人だとはバレるのだが、日本と答える瞬間はいつも少し緊張する。
このおじさんは「そうか」という無表情な返事だった。これが結構怖い。
こういう返事は大抵何か言ってやりたいという場合だ。
さすがに日本人だと解っただけで何もしてないのに殴りかかってくるような人はいないようだが、
日本という単語そのものを快く思っていない人は大抵「そうか」とか無表情に反応する。
このおじさんはコンプレックス型の反日おじさんだったんだと思う。
なんで韓国に住んでるんだと聞かれたから「彼女がいるから」と答えたら、
「女の綺麗さだけは韓国ははっきりと日本に勝っているからな」と言っていた。
そうですね、と答えておいたが、自分が好きな人は外見とかで好きなわけじゃないのだと
気づいたばかりの自分にはなんとなくつらかった。
路線バスの始発が来ると、おじさんの姿はバス停から消えた。


予想していたより10分くらい遅れてバスが来た。
この前乗った時はもっと混んでいたのだが、今日は混んでいない。
ちょっと時間が早すぎたのかもしれない。
誰も大きな荷物を持って乗っていない。
つまり今乗っている人達はおそらくみんな全員出迎えに空港に行く人達なのだろう。
バスが空港について、その予想がおそらく正しかったことがわかった。
チケットを受け取るはずの旅行社のテーブルに誰も居ない。
まだ空港の設備もはじまっていない部分が多かった。
いつまでまっても自分がチケットを受け取るはずの旅行社のテーブルに誰も来ない。
他の旅行社はけっこうもうはじまってるのに。
困ったのでとりあえず先に再入国手続きをしに行くことにした。
前回、これを忘れていて、カウンターのお姉さんに教えてもらってあわててしたのだ。
適当に書類に記入して3万ウォンで手続きは終わる。そういえばこのお金も前回も自腹だ。
手続きをしている間に旅行社の人がテーブルに来ていたらしい。
遅く来たけどいいおじさんだった。
出入国のカードも書いてくれて、俺の汚れきったパスポートカバーを見て、
新しいのをくれた。この旅行社の連絡先が大きく入っているのだけが難点だが。
おじさんは俺のパスポートカバーの汚さに驚いていたが、
これは去年の7月末、韓国についてからほとんどずっとこいつを携帯していたからだろう。
本当は外国人登録証を作った後は携帯義務はないはずなのだが、
家に置いておくのは不安で、自分のポケットに常に入れておいたほうが安心できるようになってしまい、
そのままいつも携帯している。
タバコの灰なんかがたまに入るらしく、黒く汚れているのだった。

そして、航空会社のカウンターへ。
待っている間に気づいた。前回、再入国手続きを忘れて教えてもらったお姉さんが今日も居る。
二ヶ月前に一度だけ会った人なのに、見た瞬間に思い出すというのはすごいかもしれない。
でもこれは運命の出会いとかではなく、今回は別のお姉さんのカウンターになってしまった。
今日のお姉さんのほうがかわいいので許す。
しかし、何故かなんか変な説明があり、カバンの検査があります。と言われた。
そして「行ってらっしゃい」と言われたので終わったと思って行ったのだが、
歩いている途中、ちょっと不安になる。
韓国語でいってらっしゃいを直訳すると「通って"来て"下さい」になる。
来る?なんかしてもう一度戻れって意味だったのか?
この先の手続きをするともうカウンターには戻れなくなるので、
ちょっと怖くなって戻って「今の言葉って行ってもいいって意味ですよね?」と確認してしまった。
「そうです、そうです。行ってらっしゃいってことです*^^*;」とちょっと笑われてしまった--;
まあ、どうせこの後会うこともない人だから恥はかき捨てである。
いや、二ヶ月前の手続きの時のお姉さんを俺が覚えているということは、
次にまた日本に戻るときに、このお姉さんが俺を覚えているという可能性もあるのか、
それはちょっと嫌だなと思った。
その先のいつもの手続きも普通に終える。
毎回、ベルトのバックルに金属探知機が引っかかるのも同じである--;
ついでに、出国カードは要らなくなったのかもしれない。
実はその前のところに韓国語で「外国人は出国カードが必要なくなりました」と書いてあったのだが、
丁寧に日本語に翻訳してあり、そこには日本語で「外の人は出国カードなくなりました」とか書いてあった。
あまりの翻訳の出来に、自分の韓国語能力の方を疑ってしまい、また直後の旅行社のおじさんが
出入国カードの出国部分も書いてくれちゃったのでそのまま来たのだが、
手続きのときに係りの人はパスポートに挟んであった出国カードは確かに見て、
恐らく内容も確認したはずなのだが、パスポートにはさんだまま返された。
今までだったらこれはちゃんとこの係りの人がとっていくはずなので、やっぱり要らないのだろうか。


そして免税店とかあるエリアに突入、なんかキムチの売り込みの人達が静かになってる。
やはり寄生虫キムチ騒動の影響なのだろうか?
とりあえず今回は実家にしか寄れないし、実家もキムチとか怖いからいいと言われてるので
何も買わない。
というか満身創痍で何も買う気力もない。
飛行機に乗っていざ帰国。
って、最後のチケット通すところの係りの人、さっきの受付カウンターの人じゃん!!
さすがに数十分ではしっかりと覚えられていたらしくまたも微笑みながら
(今度は日本語で)「いってらっしゃい*^^*;」と言われてしまった--;
あぁ、恥ずかしい。こういう時、相手が美人だと余計に恥ずかしいのはなんでだろ--;
まあそんなこんなで飛行機に乗り込むと、
前のTVをリモコンで色々操作できるタイプの飛行機だった。
以前にこのタイプにあたったときは隣の韓国人が話しかけてきて、
彼が結構日本語喋れたので話に花が咲き、いじれなかったのだが、
今回は隣の人はつくなり早々に寝てしまった。
本当は自分も昨夜も寝てないし、もう眠りたかったのだが、
ゲーム屋さんとしては飛行機に備え付けのゲームってどうなのよと
一応試さないわけにはいかず、遊んでみた。
ソリティアとか上海とか、メジャーなパズルゲームが数種類あるようだが
とりあえずそれらはおいておいて、謎のタイトル名のものを試す。
テトリスのパクリみたいなやつとか、ペンギン君ウォーズとアルカノイドを足したみたいな奴とか、
LinuxとかFreeBSDをインストールするときにうっかり入れてしまいがちな、
蛇がえさ食べると尻尾が長くなるゲームとかがあった。
ぶっちゃけイマイチ感は拭えない。というかあれVBDelphiで作ってないか?
全体的にVBDelphiで作られたフリーゲームにありがちな適当感が強くあった。
そんなこんなでちょっと試すもつまらないので安心して眠れると思ったら、
目の前の席が赤ちゃんを抱いたおかあさんの席で、
赤ちゃんが数分おきに烈火のごとく泣くので、うとうとしては目が覚めるのを繰り返してしまった。
結局、眠れず。
成田に着いてちょうどお昼の時間なので空港内で食べる。
ラーメン屋、酷い。
味噌チャーシューを頼んだのだが、だしとかまるでとってないんじゃないかと思う。
スープが味噌そのものの味しかしない。麺もどこかから仕入れた安い麺だと簡単にわかるものだった。
数ヶ月ぶりに日本のラーメンを食べる、という人達も多く利用するであろう場所で、
ああいうものを出すのは人情として間違ってると思った。
ついでにあれで1100円は酷すぎる。韓国だと簡易式なら韓定食が食べられそうな値段だ。


ついでに、むしゃくしゃしていたので初のスカイライナーに乗ってみる。
やっぱり指定席だと落ち着く。しかし、周りの人の言葉が………
中国語とか英語とか日本語とかが飛び交ってる、空港からなのだから当然なのだけど、
それがことごとく韓国語に聞こえる--;
何か、耳に言葉が入ってくると、とりあえず韓国語の単語で近いものがないかを
無意識にチェックするようになってしまったらしい--;
かなり空耳アワーをたくさんやったと思う。
それでもそのうち慣れと疲れで寝ていたらしい。
日暮里に到着。新宿まで行ってタクシーにのってクライアントの所に。
このタクシーの運転手さんが良く喋る人であった。
新宿は彼の縄張りなのに、同じ会社の別のタクシーが多くなって困るそうな。
この人の話では大久保あたりに韓国人が急に増えたのはここ十数年の話なのだという。
それは知らなかった。
そんなこんなでタクシーで数分のクライアントに到着。
休日出勤ご苦労様のクライアント担当者に会う。


これまた予想していたのと違う雰囲気。
この人の前の担当者も「あぁ、こういう感じの人だったのか」と少し驚いたのだが、
この人も別の方向でちょっと驚いた。
この業界の人って色々な意味で怖いなぁ。
そして、クライアントのもう一人の人、この人は技術寄りの人なのだろうか?
ちょっとした手続きとかはこの人がやってくれた。
この人は優しそうな雰囲気の人で安心できた。っていうか勝手に心の中でハリーポッター命名
噂だと結構厳しい会社らしいので、そういう環境でも物腰が柔らかいままで居られる人というのは
きっといい人なのだろうと思った。


とりあえず、機材のうち、持ち出し不可でここで確認作業をしなければならないものをチェック。
散々な結果になった。
一度も試していない環境だから問題も起こる可能性があるのは十分承知なのだが、
それにしても準備ができないまま来ているのでボロボロに問題出まくり。
これをとりあえず社長に報告の電話を入れる。
また謎の責任転嫁がはじまった。最悪である。
最近はこれがはじまったら何も答えないことにしている。
何か答えれば、この人はとことんまでこっちが悪かったことにするまで気がすまないので、
何も言わないのが一番早く終わるのだ。
ついでに、以前にこれが始まったときに我慢しきれずに
「なんで社長はそんな後ろ向きな話をしているんですか?理解できません!
問題が発生しているのに解決方法の話し合いじゃなく、
何が悪かったとかそういう話に終始するのは意味があるんですか?」
と言ったら、意外にも意味が通じたらしく、またそれ以降も俺がだんまりになると、
自分がそういう話をしていると気づいてくれることが多くなった。
この人は決して意図的に駄目社長やってるわけじゃなく、
本当は良くしたいし、その方向に向かって行きたいと思ってるんだと、
ただ方法が間違っているのと、何を進言しても自分のその方法に拘ってしまって
失敗を繰り返しているだけなんだと、こういう風に気づいてくれた時だけはわかる。


とりあえず、可能な限りのことをして、後は戻ってから対応するしかないという結論に一応は導いてみたものの、
どうしても諦めがつかないらしく、「それでも時間を見つけてなんとかしろ」という言葉を何回も言う。
今ここで普通に確認作業する時間だって足りていなくて、
(クライアントには内緒だが)本当のテスト通りではなくて、何か危険性があると思われるものを重点的に、
反対に他の環境で一度OKが出ていれば試さなくても恐らく大丈夫な項目とかは
飛ばしてチェックしていたりして、それすら十分にできる時間ではないというのに、
さらに何か追加で対応させようとかいうその考えがわからん。


セットアップ中など、クライアント担当者の二人と話したのだが、
そういう雑な仕事はクライアントも心配していて、望んでいないことのようだ(当たり前だが)。
それでも、どうやら社長がそういうスケジュールで押し通しているようだ。


とりあえず懸念されていた予想が的中ということで、大丈夫だった部分だけチェックして
今日はひとまず帰ることにした。寝ないで飛行機乗ってきたし、
明日は借りても大丈夫な機材でのチェックもあるし、書類もまだ整っていないので
書類も作らなきゃいけない。今日、ここで終電逃したりして実家までたどり着けない方が怖いので
10時前だったが終わりにさせてもらった(ここからウチまで2時間以上かかるし)。


実家に到着、こんな時間だけど夕食も食べていなかったので久々に実家でご飯。
カレーライス。俺が韓国で日本のカレールー買って作ったのと味が全然違う。
思わず母親に「な、何と何が入ってるの?」と聞いてしまう。
材料としては入れてなかったのはニンニクだけだが、それだけでこんなに違うのだろうか?
まだまだ修行が足りないと痛感し、久々に実家の湯船に浸かって寝た。
実家の俺の部屋は、社長が韓国に持って来いという社長のお買い物の荷物でいっぱいだった。
いつもの事ながら、すごく欝だ。俺の旅行カバンは彼のためにあるのだ。
そして、まだこれ以外にもお買い物リストも持ってきている。
今回は「大きな旅行カバン持ったまま新宿とか秋葉原とか歩くの大変なんですよ〜!」って
何度も言ったら初日の予定からはなんとか外してもらえたから多少マシなんだけど。